水鳥

さざ波に揺れる水面に身を委ねるとき、
私たちは全身に地球のリズムを感じます。
上下左右、行ったり来たり・・・
水面は立ち止まることがありません。
つねに揺れ動き、しかも心は穏やかです。
あなたも水辺の波に耳を傾け
ゆったり身体を委ねてください。
あなたの心は気付くでしょう。
あなたは地球とひとつだと・・・

夜闇

人の暮らしは夜の闇までも変えてしまいます。
街路の照明は遠く山の中まで及び、
星々のきらめきを消し去り、
雲の色までも変えてしまいます。
精霊たちが集う澄み切った夜空は
もうほとんど残されていません。
私たちはときに、人類が消滅したら
どれほど素晴らしい調和が生まれるか夢想します。
それでもまだ私たちはあなた達が気付くのを
根気づよく待っています。
夜の闇を恐れることはありません。
そこはあなたの根源から溢れる力の源なのです。

シルエット

沈黙の中に風が生まれます。
沈黙の中に声が生まれます。
沈黙の中に命が生まれます。
影はつねに人の心を映す鏡です。
そっと心を澄ましてください。
私は沈黙の中、あなたに語りかけましょう・・・

風土

土地の風土はその地に生きる
あらゆるものを包み込んでいます。
穏やかで優しい地形や気候のなかでは
生命も穏やかに満ち足りて暮らしています。
それはその地を守る精霊の姿でもあり、
すべてを包み込む優しさが行き渡っているのです。
しかし人は意図してそこに不調和を持ち込むことがあります。
それは愚かさという人の特権であり、
私たち自然の精霊にはない特性です。
いつか人が愚かさを克服し、
愛と調和から生きるようになるとき、
地球はかつてない美しさで満たされることでしょう。

風景

海・太陽・光・色彩・波・影・岩礁・空気・・・
深く息を吸い、すべてを感じてください。
ここでは様々な精霊が活発に働いています。
その働きの中に調和を生み出し
すべてを統合している存在が風景です。
風景の精霊はすべてにふさわしい場所を与え、
調和とともに統合し素晴らしい風景を創造します。
そのような風景は人の心も大きく動かし
奥深い部分にまで影響を与えるのです。

銀河

皆さんは現在、自分たちが
宇宙のどこに生まれ、生きているのか
少しずつ理解し始めています。
宇宙を探索し、その起源を探り、
宇宙に素粒子が生まれ、
星の誕生と死が様々な物質を生み出したこと、
そして銀河・太陽・地球の太古からの物語・・・
それとともに多くの謎も生まれました。
ダークマターやダークエネルギー、
多次元の世界や時間・空間の意味、
そもそも宇宙創造の瞬間、何が起こったのか・・・

皆さんは宇宙に存在するあらゆるものに意味があり、
意識が存在することを学びつつあります。
それは非常に大切なことです。
そうしていつか、宇宙が生まれた意味も
理解するときが来るでしょう。
それはこの宇宙が生み出した人類の意識が辿り着く
目的地でもあるのです。

彩雲

広々とした空の上、
私たちは大気と太陽光の戯れの中、立ち現れます。
古来、人々は私たちの出現を吉兆と喜びました。
私たちは大気と太陽光の調和の中に生まれ
人も私たちに同調することで
その身体に天空の調和を招き入れるのです。
深い呼吸とともに天空に開かれた心こそ、
人を幸せにするでしょう。

秋桜

私たちは季節の変化を知らせる花として
多くの人たちから愛されています。
広い花壇や河川敷、あるいは畑の脇の小さな空き地など
皆さんの愛とともに種を蒔かれ、花を咲かせます。
私たちは皆さんが笑顔になれば、
一層輝きを増してゆきます。
皆さんが悲しみや寂しさとともにいたならば
この輝きを少しあなたに贈りましょう。

星とともに

うつむき、暗闇の中を彷徨うように感じるときも
私たちは天空から優しくあなたを見守っています。
どこにも行き場がなくどうしようもないようなときも
天空には無数の星が輝いています。
たとえ分厚い雲に遮られていようとも
雨の降りしきる嵐のなかでも
天空では私たちが見守っています。
あなたはいつも、あなたが気付いていなくとも
この美しく澄んだ天空の星々とともにあるのです。

道 〜大地とともに〜

道は人が世界を旅するとき、欠かせないもののひとつです。
多くの人がゆくことで、道は踏み固められ拡張してゆきます。
そのような道は大地にひとつの流れを創り出します。
生活のため、農耕のため、狩猟のため、交易のため・・・
人々が足跡と共に刻んだ意識は
いつしか大地に深く沁み込んでゆくのです。
喜びと共にある道は祝福され、ゆく人の心も豊かになるでしょう。
戦乱のために開かれた道は鈍重で硬直した精神を生み
現代の直線的で強引に大地を切り裂いた巨大な道は
人々を豊かな大地から切り離すことになるでしょう。

人は太古、動物たちの足跡を追い、
けもの道と人の道はとても近いものでした。
そのころの道には大地のリズムが強く反映され
道を歩くことは智慧の源泉でもあったのです。
大地の道を歩き、智慧の源泉を取り戻しなさい。
そこには豊かな心が微笑みとともにあるでしょう・・・

精霊

天空へ続く高山の峰は
精霊に残された数少ない清らかな地です。
この地では人の影響より精霊の影響が勝り
ここを歩く人もまた下界とは異なる
清らかな精神を持つでしょう。
あなたが澄んだ心を街へ持ち帰ることで
私たち精霊の仕事はおおいに助けられるでしょう・・・

霧

森が霧に包まれるとき、
深呼吸をしたような落ち着きと
冷たく澄んだ空気がすべてのものを癒します。
霧を恐れてはいけません。
私を信じてしっとり濡れた森を歩きなさい。
一足ごとに沁み入る森の気配は
あなたの心の雑音までも
静かに消し去ってゆくでしょう・・・

花に宿る

花はただ咲き誇るだけではない
様々な表情を持っています。
その表情こそ、花に心が宿り、
命を生きている証しです。
この世界に永遠に続くものはありません。
その儚さ、美しさこそ
花に宿る心です。

色づく森

葉を落とし、雪に埋もれてゆく冬を前に
私たちは死にゆく木の葉に鮮やかな装いを纏わせ
心豊かに安らかな死へ送り出そうとしているのです。
この季節、私たちは多くの葉を落としますが
それは決して悲しむようなことではありません。
葉は私のために精一杯働き、
私と共に過ごした季節を心から喜び
充分に満たされて枝から放れてゆくのです。

この秋の色彩にあなたは何を感じるでしょう・・・
落ち葉がカサコソざわめく森のなかでは
満たされたものたちの喜びの歌が響いているのです。

シグナル

私たちはときに自分がどこにいるのか
判らなくなることがあります。
茫漠とした宇宙をさまよい、
足元の地面も定かでなくなるとき、
それは新たな場所へ旅立つためのシグナルです。
古い世界にすがるのではなく
新たな世界を求めて、見知らぬ地へ飛び込むのです。
あなたの魂はそのようにして、
幾度となく新たな人生を切り開いてきたのです。

荒涼

生命は荒涼とした大地にも息づいて
その表面を優しく覆ってゆくものです。

岩やガレキに覆われた剥き出しの大地を
いとおしい母なるものに変えてゆくのは
この地に調和をもたらす精霊たちの精妙な働きです。
そして小さな生命たちの無数に重なった躍動とささやきが
大地を耕し、生命の苗床を創るのです。

大地を覆う草ぐさに耳を傾け、
風と共にゆく精霊のささやきを感じてください・・・

ハイマツ

雲上に生きる私たちの環境は非常に過酷なものです。

強烈な風雪に耐えるため背丈を低くし、

山肌にしがみつくように横へ横へ枝を伸ばし

長い時間をかけゆっくり成長してゆきます。

この過酷な環境に生きるには

何事にも動じない澄んだ心が必要になります。

高山の風に吹かれるなかで、

私たちは世界のすべてを信頼し、

聖者のような心を持って生きる術を

身につけているのです。

皆さんも世界を信頼することができるなら

どのような環境にあっても

心穏やかに生きることができるでしょう。

秋草

私たちの一生も最後の時を迎えています。
冬が訪れる前に新たな命を大地へ放ち
その後はゆっくり土に還り、
新たな命を育てるのです。
夏に咲き競った私たちも
今では古い友のように肩を寄せ合い
その時を待っています。
穏やかな死は、自然が用意してくれた
素晴らしい贈り物です。

実りの山

秋、私の裾野は賑やかに色づき
森は光を透し明るさを増してゆきます。
風に舞い落ちた木の葉の絨毯の上では、
動物たちが木の実を蓄え冬支度を始めます。
山が実りの喜びに満たされるこの季節、
忙しく樹々の間を飛び回る鳥たちや
森を駆け回る動物たちの満足げな姿は
大地の喜びそのものなのです。

夕照

世界が夕照に染まる刻、
あなたの胸にどんな想いがよぎるでしょう。
一日を終えるとき、西の空を仰いでください。
夕焼けはどのような一日も癒す力を
あなたに与えることができるのです。
心の奥深く、私はそっと忍び込んで
あなたの心を解きほぐします。

創造

太古、地球創世のときより太陽は地球を照らし
地球は太陽とともに生命のサイクルを創りました。
地軸の傾きと公転が１年の周期を
そして自転が１日のリズムを刻みます。
地球上の生命にとってこれはほど大切なリズムはありません。
朝日とともに生命は眠りから目覚め、
この悠久のリズムを新たに開始します。
さあ、今日も新たなリズムが生まれます。
生命は朝日と共に新たな創造を始めるでしょう。

カール

カールという地形が人に与える影響は特別なものです。
広々とした谷は優しく包み込むように立ち上がり
白い岩峰から吹き下ろす清涼な風が谷を満たします。
この壮大な彫刻は、かつてこの地を覆った氷河が大地を削り
滔々と流れる刻のなかで創造したものです。
人という存在も、時空を旅する大地の営みと共にあることを
しっかり大地に足をつけて感じてください。
この壮大な大地に繋がるとき、あなたはその心に大きな空間を得ます。
日々の余裕のない心に澄んだ空間が生まれ、新たな活力が生まれるのです。
この空間こそ、カールがあなたに贈る素晴らしい贈り物です。
あなたはこの空間にまっさらな気持ちで進むことのできる力を得て
新たな世界を創造することが出来るのです。

ツマグロヒョウモン

かつて私たちは花の間を自由に飛び交い
様々な花の蜜を楽しんでいました。
しかし今、わずかに残った花壇にしがみつくように
私たちは生きています。
大地は細かく区切られ所有者が決められ、
草々は邪魔者扱いの上ですっかり除草されてしまいます。
多様な草が多様な花を咲かせ
私たちは好きな蜜を選んで飛び交っていました。
人はなぜ、そこまで私たちの喜びを奪ってしまうのでしょう。
本来私たちが贈ることのできる喜びとともに
みなさんは自らの喜びも削っているのです。

夜明け

微かな色彩が立ち上がるこの刻こそ
世界が陰から陽に変容する境界です。
混沌とした闇に解けていた大地と天空は
色彩の創る境界によって隔てられ
世界は見慣れた形を取り戻します。
この夜明けの時間に現出する変化こそ
世界に隠された神秘への入り口です。
夜明けは夜と昼を分け隔てるものではなく
夜と昼をひとつにします。
深く心を澄ませてください。
刻々と変化する夜明けの神秘を取り逃さないように・・・

山

多くの樹木が私を被い
多くの動物が私の上で暮らし
多くの虫が私の表土を耕し
多くの微生物がさらに表土を栄養に変換します。
豊かな生命の営みは私の大きな喜びとなるのです。

ひまわり

夏の太陽が私たちに豊穣をもたらします。
私たちがこれほど多くの種を付けるのは
自分たちの繁栄のためだけではなく
多くの生き物と豊穣の喜びを分かち合うためです。
太陽が輝く限り、私たちは絶滅の心配などせず
太陽の恵みを分ち続けます。
私たちにとって与えることは本当に喜びなのです。
「ほら、ここに栄養たっぷりの種がありますよ！」
私たちはよく目立つ黄色い花で
生き物たちにそう教えているのです。

飛瀧

滝は水流が無数の飛沫となって落下し
一瞬の無重力状態の中で、内包された精霊が
様々な姿を現出してゆく場です。
一瞬のなかで現出する無数の精霊を感じて
人は滝に聖なるものを感じるのです。

あなたも轟音の響く滝に近づき
その飛沫を全身に受けなさい。
活気づいた清々しい精霊があなたを包み込み
あなたは透明で優しいエネルギーに
満たされるでしょう。

山・渓流・森

私たちは別々に存在するのではありません。
すべてが協調してひとつの風景を創造します。
小さな花や森の樹々、渓流の流れや河原の石、
生命を支える山塊や岩峰、そこに棲む鳥や魚・動物たち・・・
風景はその地に応じてあらゆる生命・大地が統合されたものです。
みなさんも風景を前に感じてください。
私たちはともすればあなたが忘れがちな大切なものを
取り戻す力となるでしょう。

旅人

私たちの存在する時空の広がりに
そっと耳を澄ませてください。
微かな波音と流れる風に誘われて
想いは刻を超えて遥か遠く
無限、そして永遠の彼方まで・・・
私たちは遥かな道をゆく旅人なのです。

ノビタキ

野に暮らす私たちの見る世界は
ひとの捉える世界より遥かに豊かなものです。
天高く舞い上がり野山を上空から見下ろすとき、
私たちは地形や植生、川や風の流れまで
瞬時に把握することができます。
私たちの小さな体は森の樹々の間を自由にすり抜け
気に入った枝に止まると声高く囀り生命を謳歌します。
多くの荷物を抱え、地を這うように生きる「ひと」が
私たちのように身軽に世界を旅するようになれば
その眼に映る世界はもっと活き活きした
豊かなものになるでしょう。

夏の植物

夏は私たち植物にとって最もエネルギーに満ちたときです。
ただし、このエネルギーは破壊的でもあり
大気の循環がこの地に適った雨をもたらすことが必要です。
ここには非常に多くのプロセスが関わっています。
太陽・海水温・海から蒸発する水・地球を巡る風・山から吹く風・
成長する雲・雨・稲妻・地上を流れる川・地下の水流・
大地の地質・地下の生物が作る土・根と土が含む水など
私たちにはそのすべてが必要なのです。
それをコントロールするのはたったひとりの神でしょうか？
これはすべて共同作業なのです。
みなさんが考えるより遥かに私たちは繋がっているのです。
太陽・水・樹々・風や土も、すべて協力しています。
そうして今、「ひと」の協力がどうしても必要です。
みなさんも心を清ませて私たちの声に耳を傾け
私たちと力を合わせて協力してください。
私たちはその智慧を惜しげもなく伝えましょう。

赤色

血と情熱の色彩は
あなたを奮い立たせる力を持っています。
真っすぐ前を向いて
心の底から湧き上がる意志を感じたなら
あなたはそれと向き合わなければなりません。
それが一瞬の迷いか、
それともあなたの体内を駆け巡る深紅の血のように
あなたそのものなのか、
それはあなただけが知ることです。
あなたが本当のあなたの意志によって行動するとき、
血はその全身に情熱を奮い立たせるでしょう。

巨岩

巨岩に触れることは悠久の時の流れに触れることです。
巨岩に刻まれた時間は様々に読み解くことができます。
遠い過去の海底の様子や太古の生物・気候の変化、
地殻の大変動や独特の浸食作用、
巨岩はこの地の時間の積み重ねそのものです。
心を鎮めて私に触れてみなさい。
人の歴史を遥かに超える時間のなかで
私たちは存在しているのです。

水流

滝の飛沫となり川を流れ、
激しい躍動のなかで
私たちは刻々と変化します。
滝で水は空中を舞う滴となって拡散し
大気は水に取り込まれ滝壺で大量の泡となって
水中をめぐります。
大気の成分をたっぷり吸収した水は
新たな森の精気を統合した流れとなり
山から里へ下り大地に命をもたらします。
この流れこそ生命を育む力となる私たちの贈り物です。
水が躍動するところではつねに生命も躍動するのです。

入道雲

夏、地上の生命が暑さにぐったりしている時
大気中の水蒸気は徐々に集まり始めます。
水蒸気の集合が大きくなるにつれて
私の中に意識が芽生え始めます。
天空に上昇するエネルギーはどこまでも増大し、
私はグングン大きく成長して全体に力が漲り、
意識も更に明瞭になってゆきます。
私はまだまだ成長し溢れそうになる水滴をギリギリまで抱え、
内部では漲るエネルギーが稲妻を放ち大地を刺激します。
そして遂に支えきれなくなった時、激しく大粒の雨を降らせます。
雨粒とともに私の意識は大地に拡散し
樹々を潤し大地にキラキラ眩い輝きを与え
あらゆる生命の中へ注入されてゆくのです。

光とともに・・・

太古から動物にとって眼は特別な器官です。
移動して、食べ物を探し、危険を察知し、仲間と出会い、
そんなとき眼は欠かすことのできないものです。
また捕食者の眼から逃れるため身を隠す術も無数にあります。
眼にとって大切なことは、はじめに光があったということです。
太陽と月、二つの光が眼を創造したのです。
私たちが忘れてはいけないのは
この地球は二つの光なくしては暗黒の星だということです。
地球の生命がこれほど繁栄し輝いているのは
光とともにあるからです。
そうしてあなたも、その心に光を宿しています。
光とともにあれ！
それが眼のメッセージです。

国鳥 - キジ

私はこの国を代表する鳥とされ、この国の昔話にも登場します。

そして私にとって人里近くの草原は素敵な住処です。

しかしそのような場所は年々減り、

この地も変容しているのを感じます。

あなたにとって私はこの国の象徴でしょうか？

あなたは野原で私に出会ったことがあるでしょうか？

私たちはあなたの国ではなく、

この地の大地に息づいて暮らしています。

人は土地を区切り線を引き、

ブルドーザーで大地を破壊して縄張りを作りますが

私たちはこの地の大地に根付いた樹々や草原に誘われて

自らの居場所を定めます。

あなた達の傲慢さは強い者の心にはびこり

今、この大地に暗く垂れ込めています。

私もこのままではあなたたちの代表ではいられなくなるでしょう。

雫（しずく）

役目を終えた花はそっと萎れてゆく運命にあります。
しかし私に悲しみや儚さはありません。
蝶を誘い蜜を与え、めしべに受粉させるという
私の大切な役割は充分に果たせました。
この世界に花咲いて、
その目的を果たせた充実感に満たされて
雫のようにぽとりと落ちるのは
なんて素敵なことでしょう。

共生

蝶と花の関係はこの世界の希望です。
皆さんもよく知る私たちの共生関係は
祝福に満ちたものです。
この共生関係は私たちだけのものではなく
あらゆる生命がもっているものです。
私たちの体内は無数の細菌との共生なくしては
成り立ちません。
食べる者と食べられる者も生態系のバランスという
大切な条件を守るための共生です。
生命は生存競争に見える場合でも
愛とともに生きているのです。
人もその行動の動機は愛なのですが
皆さんの頭はあまりにも物事を複雑にしています。
花の間をひらひらと飛び交い、
この星の生き生きとした美しさに満たされるとき
私たちの心は大きな愛でいっぱいになるのです。

一隅を照らす

私たちが花を咲かせるのに必要なのは
ほんのわずかのスペースだけです。
さまざまな草木に混ざって大地に根を張り巡らせ
小さく繊細な花を咲かせるのです。
私たちのような小さな存在は目立つものではありませんが
この世界の一隅を照らす、欠くことの出来ないものです。
小さな花々がどれほど世界を照らしているか
みなさんもそっと胸に手を当てて想像してください。
そう、あなたもきっと小さな花に
心癒されることでしょう・・・

子鹿

いつも母や姉が見守ってくれるなか、
飛んだり跳ねたり、ムシャムシャと木の葉を食べたり
最初の１年で私たちはたくさんのことを学びます。
雨や風の夜は大地の子守唄に眠り、
陽光の射す素敵な朝は露の滴る若草を食み
母や姉の周りを駆け回って
生きる喜びを全身で味わいます。
そうして今、親しみと優しさを感じるのに
母や姉が警戒する人という謎に
「・・・？」
私たちが生まれながらに持つ自然のルールから外れた
理解を超える世界がここにはあるようです。

生命の息吹

地球の息吹はつねに動くことであらゆる生命に行き渡ります。
風に揺られる樹々の緑はCO2から光合成を行い、
その葉は虫や動物を養います。
大洋の水は蒸発して雨になり、川を流れて大地を潤します。
川面に映える緑は生命の息吹を讃える最高の贈り物です。
そこには生命の喜びが溢れています。
もし、あなたがコンクリートの街に疲れたならば、
私たちの中へ飛び込みなさい。
あなたは心の中から自然に溢れる笑いとともに
生命の活き活きとした本質に気づくでしょう・・・

神域の森

巨樹は本来、単独で存在するものではありません。
私の周りは幾千万の共棲で満たされています。
整地され大切に柵に囲まれてしまった巨樹は
本来の仕事を充分に果たすことができなくなります。
巨樹を大切にしようと望むとき、
それは周りの環境すべてが一体であることを
忘れないでください。
そのような巨樹とともにある森は
あなたの本質にある光を目覚めさせるほどの
輝きを湛えています。
さあ、呼吸を深くして、森に同調してください。
そうすることで、あなたは一歩を踏み出します・・・

大賀ハス

私たちは遥か２千年の深い眠りから還ってきました。
人の心からの呼びかけが
私たちを深い眠りから目覚めさせたのです。
皆さんにとって２千年の刻とはどのようなものでしょう・・・
生命にとって時間とは成長、そして老化との戦いを意味します。
しかしそれは、一粒の種にとって
一睡の夢の刻でしかなかったのです。
皆さんは時空という夢を旅する生命体です。
そうして、夢を旅するための乗り物が私たちの体です。
どのような夢を旅するか、皆さんは忘れてはいけません。
この三次元の時空において、皆さんは
２千年の花を咲かせる夢さえも実現できるということを・・・

足下の生命

あなたが野山を歩く時
その足下には無数の生命が輝きを放っています。
あなたが知らずに私たちを踏んでしまっても
私たちは怒ったり恨んだりすることはありません。
あなたが野の花の美しさに思わず私を摘み取っても
私はあなたに優しく微笑みかけるでしょう。
ただできることなら、
私たちがもっと生命の輝きを放つことができる
素晴らしい存在であることを尊重して
野山を歩いて欲しいのです。

樹木

私たちは大地にしっかり根を張り
地球と繋がって生きています。
あなたが忙しく動き回り
本来のあなたが分からなくなったときは
森に来て私たちに触れ、
深く息を吸ってください。
私たちはあなたが大地に繋がり
本来のあなた自身に気付く
お手伝いができるでしょう。

月光

地球の生命が多くの天体の影響を受けているという
もっとも顕著な例が月の引力です。
潮の干満や生命のリズムは月とともにあります。
月光は夜の世界を照らし太陽の光とは異なる
精神の深みへ人を導くこともできます。
月はあなたの心をそっと照らし
澄んだ静寂へいざないます。
そうして天高く、宇宙へ
あなたの心は飛翔します

風景

大地が岩を造り、太陽のエネルギーが風雨波となり、
月の引力が潮の干満を起こし
こうしたエネルギーが壮大な時間のなかでぶつかり合い
この海岸の風景は創造されました。
これがまき散らされたガレキに見えるでしょうか？
ここには統一された風景が存在します。
波のリズム、風のゆらぎ、大地の大きなうねりが
宇宙と調和してこれらのエネルギーを統一し
ひとつの風景を作り上げたのです。

今、もう一つの要素が私たちに大きな影響を及ぼしています。
人の持つ乱れたエネルギーです。
自然は人の発するエネルギーを敏感に感じ反応します。
人が自然と乖離して調和を乱すほど
風景は乱れ、世界の調和は失われます。
人はこの星に棲む生命であることを深く自覚して
この星にかつてない調和をもたらす存在になることもできます。
このまま地球の生命圏から消滅する道をゆくのも自由です。
皆さんは感じていることでしょう、
人類にとって今がその選択の時であることを・・・

森

私の全身に纏わり付くコケは
今では私の皮膚の役割を果たし
その中では様々な虫が暮らしています。
鳥たちは囀りながら増えすぎた虫を捕らえ
樹の洞で雛を育て、森に活気を与えます。
大きな者は多くを与え、小さな者もバランスを取り
多様な生命が息づく森は
今の人類が生きて行くために欠くことの出来ない
大切な真理を日々体現しているのです。
人類は経済や市場、弱肉強食といった恣意的で偏った世界観を捨て
あらゆる生命、地球、宇宙と繋がる必要があります。
あらゆるものが共棲する森から
人は多くのものを学ぶことを必要としています。

銀河

無数の星から降り注ぐ光に大きな影響を受けて
地球生命は活動しています。
樹は天空にその手を拡げ、星々と大地を繋ぎます。
海中ではクジラがその巨体で悠然と夜の海を泳ぎます。
人は眠りのなかで夢を旅し
大地はその奥深くに灼熱のマグマを抱えて
悠久のときを刻みます。
地球の壮大な歴史は無数の星とともにあることを
忘れてはなりません。