2012年2月29日水曜日

共生

灰色に寒々しく見える山肌にも
多くの樹々の個性が現れているのを知っていますか?
葉を落とした今こそ、その骨格ともいうべき枝が露になり
私たち落葉樹の個性を知るいい機会です。
そうしてこれだけの個性溢れる樹々がこの山肌に密生し、
調和のある素晴らしい環境を共に作り出しているのです。
この多様な樹々の共生こそ、豊かな森を創る源なのです。


2012年2月28日火曜日

心で感じて・・・

私の姿に何を連想するでしょう。
目玉おやじ、もののけ姫の森の妖精・・・
小さな世界にはたくさんの不思議があります。
名前や分類だけでは理解できない不思議です。
それを心で感じてください。
ほら、私のまわりを妖精が跳ね回っているでしょう。


2012年2月25日土曜日

コケの宇宙

足下に広がる小宇宙にも注意を向けてください。
そこには私たちコケの創る宇宙が広がっています。
地面に頬をくっつけるように目線を低くして
私たちを見てください。
そこは平らな地面とは程遠い世界です。
すっくと伸びる胞子茎が無数の煙突のように立ち並び
そのなかを小さな虫が往来する不思議な都市のようです。
そうしてこの都市は地中の水分を保ち、
樹々の苗床となる働きをしています。
私たちは人の作るコンクリートの町にも
土を呼び戻そうとしています。
どうかその働きを知ってください。



















2012年2月24日金曜日

調和と活力

雪が解け滴る水滴が私の先端を濡らします。
水滴は陽射しを受け、私の姿をそのなかに映し出し
私も誘われるようにシャキッと伸び、
葉先まで生気を漲らせます。
水と光は私たち樹の生命を育み、
樹は水と光から調和した生気を創造します。
樹木のなかを歩くとき、人も私たちの影響を受け
身も心も調和と活力に満ちてくるのです。



2012年2月23日木曜日

春を告げる花

まだ冷たい風が吹き残雪積もる梅林の中で
たった一本、私だけが
季節の先陣を切ってゆきます。
もうすぐ多くの梅の花が私に続いて
咲き始めることでしょう。
さあ、友よ、
多くの生き物が待つ春を告げましょう。

2012年2月22日水曜日

枯れ木に花を・・・

暖かい陽射しを受けて清々しく枝を伸ばすのは
じっと春を待つ私。
白雪を枝に載せ、まるで春の装い
おどけて春を呼び寄せるのです。
もう少し待てばたくさんの青葉を茂らせた
美しい楓の姿を見せることができるでしょう。
もうすぐ春、枯れ木に花を咲かせましょう。

















2012年2月21日火曜日

陽射しを受けて

太陽の光を受けるとき、あらゆるものは命を持ちます。
打ち捨てられたような路肩の枯れ草も
この陽光の中で命を謳歌しています。
どんなときにも、どんなものにも、
太陽は平等に光を与えてくれるのです。





















2012年2月20日月曜日

陽光の川の流れ

真冬の陽光に映える私たち川の流れは
氷になる寸前の濃密さをたたえて
おだやかな水紋を川底に映します。
そこで私たちは多くの支流・源流から
やってきた仲間たちと交流し、
新たな調和を得て
大きな統一された流れとなってゆくのです。


















2012年2月18日土曜日

雪舞うダンス


樹上の雪が一陣の風に舞い落ちるとき、
一瞬の美が生まれます。
樹々の間にぽっかり空いた小さな空間に
光が射したその一瞬、風はここにやってきました。
この軽やかなダンスを創作し楽しんでいるのは
この地を愛し慈しむ土地の精霊に他なりません。


2012年2月16日木曜日

氷の構造


小さな木の葉を包み込む氷、
そこにあるのはよく知られたハニカム構造です。
多くの条件が整ったとき、
私はこのようなフォームを纏うことができるのです。
そうして一瞬の個性を纏った私は
気温の上昇とともに再び流れる水へ変化します。
そのすべてが水の記憶となり、
豊かな地球の水系を育みます。



















2012年2月13日月曜日

独自性

氷の中にも独自のパターンが宿っています。
その独自性は孤立したものではなく
周囲のあらゆる環境を反映しているのです。
気温・水温・風や水流・大気や水中の含有物・・・、
そうして私たちが経てきた歴史。
私が氷になるまでにかつて大気であった頃、
雲の集団の中から降下する雨となって樹木に降り注ぎ、
そっと滴る夜露となり、鈴のような音をさせて流れる渓流となり、
あるときには滝となって大地を削る力となる。
太陽のエネルギーと月の蒼い光を受け、星降る夜の凍る時間・・・
そのすべてが私に独自のパターンをもたらします。
私はその記憶と世界をこの瞬間に体現しているのです。



2012年2月10日金曜日

氷結

時間が止まったように氷結した私たち
それでも時には陽の光が氷の中まで差し込み
暖かさを感じることがあります。
氷の中に閉ざされた時間もそう永くは続きません。
再び水が緩むとき、優しい大地の声が私たちにも届きます。
そのとき私たちも再び大地に還るのです。



2012年2月8日水曜日

雪と浄化

冷たさには世界を清浄にする働きがあります。
雪はその象徴で世界は浄化されていきます。



2012年2月3日金曜日

水滴に...

水はすべてのものに安らぎと癒しを与えます。
それが水の繊細な性質です。
この性質を映して生きている生命は
優しさや愛情をその内に秘めています。



2012年2月1日水曜日

水流

















水流は様々に姿を変遷させながら流れていきます。
水量や地形、川底の形、傾斜の変化を巧みに読み取り
その地に適応した形で流れを創るのです。
そこでは多くの力の渦や調和の美、
時には強力な自然の驚異として私たちは振る舞います。
そのすべてはこの星の大きな循環機構として
青い地球を形作る私たちの精巧な仕事の一部なのです。