古樹

幾多の歳月を重ねたものは、おおらかに、優しく、
すべてを包み込むように成熟してゆきます。
そうして私たちは歳月を重ねたものにしかできない方法で
この世界の調和を支えます。
そして、その懐では次代を担う若く小さな生命が
絶えることのない川の流れのように
豊かで温かな愛情を受けて育まれてゆくのです。

夜明け

豊かな水が川を流れ、大気を潤す
山紫水明の地で、緑はつねに大地を覆います。
山川草木には神々が宿り、
そっと夜明けを知らせています。
夢のなかで私たちも、夜明けの大地を駆け巡り
神々の声を聴いているのかも知れません・・・

薄明

星が空に溶けてゆく頃、
うす紫の衣を纏った精霊たちが
山川草木、あらゆるものに舞い降ります。
生命の息吹は世界に広がり、
あなたは素敵な朝を迎えるでしょう・・・

星夜

田植えの頃、水田は星を映す鏡となります。
水は、星々で満たされた宇宙と戯れ、
天使のように軽々と
この地上に生命の神秘をもたらすでしょう・・・

朝霧

草木がまだ深い眠りのなかにいる頃、
しんとした静寂の世界で
私はすべてのものをしっとり濡らしてゆきます。
私に覆われた生命は眠りのなかで清く洗われ、
澄んだ活力をもって新たな日に目覚めるでしょう・・・

温暖化する世界で・・・

今、得体の知れない不安が私たちを覆っています。
山から食料の草が消え、草を求めて麓へ降りると
そこは人だけが支配するとてもおかしな場所です。
柵に覆われた畑は人専用の場所になっています。
私たちはお腹をすかせたまま、食べ過ぎて苦くなった草を
さらに食べ尽くしてゆくしかありません。
身体に変調を来たしながら、仲間といたわり合って
私たちはこの不安に耐えています。

カルガモ

私たちの子育てはとても愛情深いものです。
みなさんは卵から孵った雛は最初に見たものを
親と刷り込まれると聞いているかもしれません。
それは私たちが四六時中離れることなく
大切に卵を温め守っていることの証しです。
雛が最初に逢うものは必ず親なのです。
そうして私たちは雛が一人前になるまで
惜しげもなく太陽のようなたくさんの愛情を与えます。
かわいい子供たちがすくすく育ってゆくその姿は
私たちにとって最高の喜びです。

小さなキノコ

あなたが何気なく歩く足下に、
私たちの世界は広がっています。
この壊れやすく繊細な世界は
大地を耕すために欠かせません。
ここでは無数の小さな虫や細菌がともに助け合って
枯れ葉や死骸から豊かな土壌を創造しています。
この調和した小さな世界では、
毎日のように精霊の奇跡が起こっているのです。

ささやき

地球のすべては星から生まれました。
太陽さえも星屑から生まれたのです。
地球を、宇宙を、旅する手段を手に入れた人類は
星のささやきに耳を傾けていますか・・・
私たちの故郷であり、ゆく先でもある広大な星の世界に・・・

コケの癒し

優しく土を覆う私たちにそっと触れてください。
私たちは小さいけれど、大切な役割を持っています。
溢れる緑はふわふわ柔らかく、
森を乾燥から守り、森に平和をもたらします。
コケに覆われた森は深い癒しの空間となり、
傷つき疲れた人の心も癒します。
コケの森に佇み、すべての感覚で森を感じたとき、
あなたの心は深い平穏を感じるでしょう・・・

散りゆく

華やかさもひとときだけ、
過ぎゆく刻は儚く、
なお、美しく凛として・・・
花は幻のように散りゆきます。

時空

地球上に生まれた生命にとって
時間の持つ意味は絶大なものです。
生まれること、経験と成長、そして死・・・
生命の持つ変化してゆくという特性は
物質の身体を維持しながら
間断なく時間を一方向に進むことと同義です。
死によって生命は物質的な世界から離脱し
時間との戦いは終わりを告げます。
時空は生命意識がフォルムを纏い、維持し続けるという、
困難で矛盾に満ちた経験と成長の場として存在しているのです。

花〜九輪草

私たちは進化の過程で偶然美しくなったと信じますか？
私たちは人に摘まれても、恨むことなくその人に愛を振り向けます。
それは私たちがその内奥に宇宙の無限の愛を秘めているからです。
植物は地球に生まれた生命への深い愛から、
惜しげもなくその身体を他の命に与えます。
花は植物が自らの美しい心を現す最高の表現です。
私たちは地球の生命が愛とともに存在する証しであり、
宇宙の崇高な神秘を地球にもたらす架け橋として
この世界に愛と喜びを振りまきながら咲いているのです。

多層構造の世界

世界は幾重もの多層構造が織りなすシンフォニーです。
皆さんの世界の足下に私たちの森があり、
さらに下には微生物が活発に働く土壌があります。
上を見上げると雨や雪・雷を轟かす雲と
遥か遠く輝く太陽・月・星の世界・・・
更に位相をずらすと物質世界に重なるように
意識と精霊が織りなす世界が広がります。
皆さんが見ているものは、世界のほんの一部に過ぎません。
様々な次元から皆さんに語りかける声が聞こえるでしょうか？
今、皆さんは意識を大きく広げて、足下から天空まで
世界を一から捉え直すことが求められています。