2011年11月30日水曜日

精緻な構造
























小さなものに宿る精緻な構造は、無限の大きさへ繋がっています。
あるいは無限の構造を内部に秘めているといってもいいでしょう。
無限の彼岸にこそ、生命の故郷・本質が存在しているのです。


2011年11月29日火曜日

鳥の瞳に映る世界

























私の瞳に映るこの世界は、私のこの羽毛のように完璧なもの。
他の意識が捉える世界に惑わされることなく
自由に空を旅し、自由に住まいを決めてゆく。
そうすればこの身体はすべてを備えていることを知るでしょう。


2011年11月28日月曜日

渓流

















渓流となって流れるとき、私たちは躍動そのものです。
透明な泡をたっぷり含んで渦巻きながら
若々しく清冽な水流をほとばしらせ、
私たちは周囲に生命の息吹をまき散らします。
そうして望むなら、私は誰にでもその躍動を与え、
さわやかにのどを潤すでしょう。


2011年11月27日日曜日

もみの木




















燃え上がるような色彩の移ろいは、
私の圧倒的な存在を際立たせます。
私の守護のもと、梢では小鳥たちがさえずり、
その足下には人々がつどい憩います。
私に力があるならば、それは多くのものを保護する力、
多くのものがつどい、あるいは住処とし、
弱きものにやすらぎを与える愛の力です。


2011年11月26日土曜日

秋の色彩
























秋が足早に過ぎてゆき、まもなく冬がやってきます。
そんな季節にも祝福を贈りましょう。
春や夏には見ることのない色彩に彩られて
春や夏には感じることのない感情を呼び起こし
私たちはこの季節を味わいます。


2011年11月25日金曜日

















光と水滴のプリズム・・・
私のことをそう理解する人は多いでしょう。
私の本質を知りたければ、その理解を手放すことです。
太陽と地球のリズムが調和した一瞬、私は姿を現します。
空中に幻覚のように現れる色彩に宿るのは
精妙な宇宙のダンスのエッセンスです。
さあ、私のダンスを感じてください。


2011年11月24日木曜日

死にゆく森




その湖畔の森へ一歩足を踏み入れた途端、奇妙な違和感を感じた。
視界がグニャリと歪んだように平衡感覚にズレがある。
樹々の間の枯葉の小径をゆっくり歩いてゆくが、その原因ははっきりしない。
湖畔の風景はいつもとさほど変わらず、立ち止まって景色を楽しむ。
「キューッ、キューッ・・・」
鳥の声・・・いや、目の前の樹だ。






根元が曲がり、隣の樹にもたれかかっている。
風が吹くたびにこすれて鳴いている。
中が空洞になった幹の根元もそのたびに「ボコッ」と不気味な音を立てる。
この森の病だ。
「カシノナカキクイムシ」
無数のわずか数ミリの小さな昆虫が樹に卵を産み、
幼虫は樹木を中から食い荒らす。
樹には無数の穴が空き、その下には大量のおがくずが落ちている。
「もう、この樹は終わりだ・・・」
この森のほとんどの樫やナラの足下に木屑が落ちている。
この森は病んでいる。
小さな虫によって消えてゆこうとしているんだ。




樹に触れてみると樹皮は力なくへこんでしまう。
「この森は、樹々は死んでいくのかい?」
・・・私たちは土になるんだよ。豊かな土になって新たな森の土壌になるんだよ。
「なんとか助からないのかな」
・・・この土地は浄化されるでしょう。虫たちはそれを早めているだけだよ。
「なぜ浄化が必要なんだ?人間のせい?」
・・・・・・。
答えはなかった。
ただ、新しい森は一から作られることを
小さなドングリが示しているようだった・・・


僕たちは森の声に耳を傾けることが必要だ。
森は僕たちよりはるかに長い時間を生き、
その知るところは僕たちの知識では計り知れない。




2011年11月23日水曜日

笑い笑って





















さあ、私の役割は終わりを告げた。
大切な種子は遠く旅立ち、新たな土地で繁栄してゆくことでしょう。
いづれ私は栄養を断たれ、水分も失い、朽ちてゆく身・・・
しかしこの爽快さ!
笑い笑ってこの生の終わりを飾ろう。


2011年11月22日火曜日

大いなる旅の記憶
























森を覆うコケから滴り落ちた私はここから大いなる旅に旅立ちます。
無数の私たちが小さな流れを作り、やがて激流となって大地を削り、
田畑を潤し、大河となり、ついには広大で深遠な全体と
ひとつに溶け込んでゆくのです。
それでも私はこのコケの森の記憶を携えています。
それは全体をさらに豊かにしてゆく豊穣の記憶です。
とこしえの昔から続く慈愛に満ちた私たちの営みは
この地球の奇跡とともにあります。


2011年11月21日月曜日

ひだまり



















春、満開の桜に多くの人が想いを寄せて私のもとへやってきます。
でも、今は秋・・・
木々の葉が落ち、木枯らしの近づく頃、
小さな慰めの花に気づくでしょうか
ほんの少し木を見上げて、
心を休めるのも大切な時間です。


2011年11月20日日曜日

豊穣

















私たちの大切な役割、それは大地を豊かに育むこと
小さな虫や微生物の力を使い、私は大地に染み渡る。
私たちの散らばる大地には必ず豊かな実りがあります。
生き物の間をつなぐ私たち、
その豊穣の喜びはあらゆる生命を繋いでいきます。


2011年11月18日金曜日

落葉




















私は今、すばらしい想い出とともに地上に舞い降りた。
大きな全体のために光のエネルギーを変換し
私の属する全体に送り出す。
全体は私のために養分を供給し
私は何不自由なく全体のために働く。
世界は完璧なサイクルのなかにあった・・・。

そしてある日、私の役割は終わり、
一陣の風とともにはらりと全体から切り離される。
そう、私はゆっくりと大地に還り
いつの日か全体を支える養分になるだろう。
なんてすばらしいこと!
すべては喜びとともに生まれ、
喜びとともに変化してゆく。


シンフォニー




















ひんやりとした野原に雫を滴らせて、
小さな、無数のきらめきをまとう私。
そのとき草原は光と水滴のシンフォニーに満たされる。
そんな私に気づくのは、
枯れてゆく私を見つけてそっとかがみ、
優しく顔を近づける人、
そして私を揺らすささやかな風・・・


2011年11月16日水曜日

花ひらく















あるがままに、私はつぼみから花になります。
あるがままに、太陽を浴び、風に揺られ、雨を受けて
音もなく月と話し、遠く星を感じて、花ひらくのです。
私は私になるだけです。
それはとてもやさしいことです。


2011年11月15日火曜日

小さな世界



この繊細さ、小さな世界にあふれる調和、
蜜の味に感じる喜び!
生き残るためではなく、あふれる喜びを感じるために
わたしたちはこの世界にやってきたのさ。