2011年12月27日火曜日

色彩

















色彩は生命に様々な個性をまとわせることができます。
フォルムが機能を追求した結果であれば、
色彩はそのものの世界に占める位置を表現します。
色彩はフォルムに調和を与え、
その機能を引き立たせることができるのです。
蝶は色彩によって花を見つけ、
蜜を吸い、花を受粉させます。
そうして私たち華やかな色彩も太陽の恩恵を
生命に与える要素のひとつであることを
知ってください。


2011年12月24日土曜日

晩秋の笹


















多くの草が枯れてゆく晩秋、
私は枯れるより食物としてこの身を提供します。
シャキッとした笹の葉は野生の動物たち、
特にここでは鹿にとって最高の食べ物です。
葉を食べ尽くされて枯れていっても
私はその地下にしっかりとした根を張り巡らして
厳しい冬も乗り越えていきます。
そのときには鹿の残した糞が養分となり
再び青々とした葉を茂らせることができるのです。
このような循環が行われる環境は私たちのみではなく
大きな地球の循環にまで繋がっていることを
すべてのものは知る必要があります。


2011年12月21日水曜日

花という存在
















私のこの姿にあなたは何を感じるでしょう。
美しさ、枯れゆくはかなさ、自然の摂理・・・
私はそのすべてを包含して、この時のなかに存在しています。
花という存在の美しくもはかない姿は
この世界に生きるものすべてに通じるものです。


2011年12月19日月曜日

生命と水



















生命と水の深い関係はいうまでもありません。
地球に水が満ちていることと
地球に生命が満ちていることは
共に同じことを意味しています。
地球は生命を育むために生まれたということです。
そうして今、生命は水を媒介に
地球の波動を高める作用をしています。


2011年12月18日日曜日

準備

















これから冬が訪れる今、
私は必ず春がやってくることを知っています。
そうして自然の様々な信号からそのときを測り、
春の芽吹きを準備してゆくのです。
来年の春、満開の花を咲かせて
虫や鳥に充分な蜜を与えられるよう
そうして人々にも華やかな春の喜びを与えられるよう
内部で着々と準備を行うのは私たち桜の嬉しいつとめです。
春に多くの生命が私たち桜の花に集まり喜ぶ姿を想うと
すべてはこの上なく素晴らしいことです。


2011年12月16日金曜日

枯れ草




















ここにあるのは春に芽吹き、夏に花咲き、秋に種を飛ばし、
素敵な季節を送ったひとつの草の亡がらです。
初冬の陽光を受け輝く姿は
その過ごした日々の美しい痕跡を留めて
いまもこの地にすっくと立っています。
この世界では枯れ草にも気高さが宿るのです。


2011年12月15日木曜日

花の本性

















花の繊細さは花の本性そのものです。
花の美しさは花の本性そのものです。
花の優しさは花の本性そのものです。
それは植物に共通の本性です。
そうして本来は生命すべての本性なのです。


2011年12月12日月曜日

果実




















私たち果実は多くの鳥や動物にとって最良のものです。
甘くて酸っぱくて、栄養もあり
体を健やかに調整することもできます。
私たちを自然のままに手に取り口に含むなら
それで私たちは充分満足です。
そうしていつかどこかで糞とともに
種子は芽を出し成長するでしょう。
私たちはその可能性を手に入れるだけでよいのです。


2011年12月11日日曜日

月蝕






















月が地球の生命系に与える影響は絶大なものです。
月は適切な潮の満ち干を創り、
生命のリズムを産み、
その精神に深く分け入る案内役でもあります。
太陽・地球とともに私が魅せるこの一瞬の表情・・・、
月の神秘に想いを馳せるのに
これほど素晴らしいチャンスはありません。


2011年12月9日金曜日

黄葉























優しい光の透過を受けて明るく光るのは
この時期の私にとって最高の素顔です。
他に何のわだかまりもなく、
ただ黄金色に輝く私は
今、すべての役割を終え充実した輝きのなかで
最後の時を迎えようとしているのです。


2011年12月8日木曜日

花から花へ






















花から花へひらひらとゆく私たちは
花と花の出会いの仲人でもあります。
花咲く野原と私たちは共に生きる大切な友。
この関係は生命の真実を現しています。
そうして私たちに学ぶのであれば
人もまた真実に近づくことができるでしょう。


2011年12月7日水曜日

ゆだねる






















植林の杉林にも、私たちは独自の調和を創造します。
この土地が必要とする土壌を創り
生命が栄えるために様々な工夫が凝らされているのです。
それでも私たちの仕事は今、
とても難しいものになっています。
人が私たちの存在に気づいて、ゆだねることを知れば
あなたたちの想像を超えた世界を現出させることも
充分に可能なのです。


2011年12月5日月曜日

花を添える















受粉を終え地面に落ちた私、
でもまだ終わりではないようです。
ここにも繊細な世界が広がっています。
そうして私が花を添えることで
この世界はさらに素敵な調和を招き寄せます。
この調和をもたらす仕事が終わるまで
もうすこしここで咲いてみましょう。


2011年12月4日日曜日

土に還る旅

















私たちはこれから土に還る旅をはじめるところです。
この旅では雨や風、太陽、夜の冷たさが私たちを解体し、
小さな虫や菌類、キノコたちがさらに私を変えてゆくでしょう。
旅のはじめ、つかの間の時間、優しい陽の光を受けて
語らいの安らぎを分かち合いましょう。


2011年12月3日土曜日

全体






















私たちは個というものを持ちません。
私たちは一つの全体として存在します。
私の行動は全体の行動、
私の心は全体の心、
私の命は全体の命、
そうして私とは全体のことです。
ここで花の蜜をたっぷりと味わい、蜜を巣に持ち帰るのも
私の全体の意思であり心です。

それはまるであなたたちの身体が無数の細胞や器官から構成され
その総体としてあなたの全体があるようなものです。
その心はあなたの全体の心であり、
あなたの細胞もあなたの全体に奉仕する喜びのなかにあるのです。
大切なのは全体の心がその統べる末端にまで想いを巡らせて
愛を贈る優しさと思いやりに満ちていることです。


2011年12月2日金曜日

路傍に咲く























路傍にそっと咲く私は特別なことを求めません。
小さな虫に蜜を与え、代わりに受粉を手伝ってもらう・・・
その基本さえ守れば、心満たす美しい水や優しい風を日々感じて
幾世代も清楚な美しさを世界に添えることができるのです。
そうして私を感じる心のあるところでは
世界もまた清楚な美しさを保つことができるでしょう。


2011年12月1日木曜日

映し出された世界
















私の中に映し出された世界は
私に新しい刺激を与えてくれます。
周囲の樹々の緑を映し出す私の中には
この地の緑の記憶が写し込まれ
その記憶を持って私は世界を旅してゆきます。
世界はそのようにして豊かになってゆくのです。


2011年11月30日水曜日

精緻な構造
























小さなものに宿る精緻な構造は、無限の大きさへ繋がっています。
あるいは無限の構造を内部に秘めているといってもいいでしょう。
無限の彼岸にこそ、生命の故郷・本質が存在しているのです。


2011年11月29日火曜日

鳥の瞳に映る世界

























私の瞳に映るこの世界は、私のこの羽毛のように完璧なもの。
他の意識が捉える世界に惑わされることなく
自由に空を旅し、自由に住まいを決めてゆく。
そうすればこの身体はすべてを備えていることを知るでしょう。


2011年11月28日月曜日

渓流

















渓流となって流れるとき、私たちは躍動そのものです。
透明な泡をたっぷり含んで渦巻きながら
若々しく清冽な水流をほとばしらせ、
私たちは周囲に生命の息吹をまき散らします。
そうして望むなら、私は誰にでもその躍動を与え、
さわやかにのどを潤すでしょう。


2011年11月27日日曜日

もみの木




















燃え上がるような色彩の移ろいは、
私の圧倒的な存在を際立たせます。
私の守護のもと、梢では小鳥たちがさえずり、
その足下には人々がつどい憩います。
私に力があるならば、それは多くのものを保護する力、
多くのものがつどい、あるいは住処とし、
弱きものにやすらぎを与える愛の力です。


2011年11月26日土曜日

秋の色彩
























秋が足早に過ぎてゆき、まもなく冬がやってきます。
そんな季節にも祝福を贈りましょう。
春や夏には見ることのない色彩に彩られて
春や夏には感じることのない感情を呼び起こし
私たちはこの季節を味わいます。


2011年11月25日金曜日

















光と水滴のプリズム・・・
私のことをそう理解する人は多いでしょう。
私の本質を知りたければ、その理解を手放すことです。
太陽と地球のリズムが調和した一瞬、私は姿を現します。
空中に幻覚のように現れる色彩に宿るのは
精妙な宇宙のダンスのエッセンスです。
さあ、私のダンスを感じてください。


2011年11月24日木曜日

死にゆく森




その湖畔の森へ一歩足を踏み入れた途端、奇妙な違和感を感じた。
視界がグニャリと歪んだように平衡感覚にズレがある。
樹々の間の枯葉の小径をゆっくり歩いてゆくが、その原因ははっきりしない。
湖畔の風景はいつもとさほど変わらず、立ち止まって景色を楽しむ。
「キューッ、キューッ・・・」
鳥の声・・・いや、目の前の樹だ。






根元が曲がり、隣の樹にもたれかかっている。
風が吹くたびにこすれて鳴いている。
中が空洞になった幹の根元もそのたびに「ボコッ」と不気味な音を立てる。
この森の病だ。
「カシノナカキクイムシ」
無数のわずか数ミリの小さな昆虫が樹に卵を産み、
幼虫は樹木を中から食い荒らす。
樹には無数の穴が空き、その下には大量のおがくずが落ちている。
「もう、この樹は終わりだ・・・」
この森のほとんどの樫やナラの足下に木屑が落ちている。
この森は病んでいる。
小さな虫によって消えてゆこうとしているんだ。




樹に触れてみると樹皮は力なくへこんでしまう。
「この森は、樹々は死んでいくのかい?」
・・・私たちは土になるんだよ。豊かな土になって新たな森の土壌になるんだよ。
「なんとか助からないのかな」
・・・この土地は浄化されるでしょう。虫たちはそれを早めているだけだよ。
「なぜ浄化が必要なんだ?人間のせい?」
・・・・・・。
答えはなかった。
ただ、新しい森は一から作られることを
小さなドングリが示しているようだった・・・


僕たちは森の声に耳を傾けることが必要だ。
森は僕たちよりはるかに長い時間を生き、
その知るところは僕たちの知識では計り知れない。




2011年11月23日水曜日

笑い笑って





















さあ、私の役割は終わりを告げた。
大切な種子は遠く旅立ち、新たな土地で繁栄してゆくことでしょう。
いづれ私は栄養を断たれ、水分も失い、朽ちてゆく身・・・
しかしこの爽快さ!
笑い笑ってこの生の終わりを飾ろう。


2011年11月22日火曜日

大いなる旅の記憶
























森を覆うコケから滴り落ちた私はここから大いなる旅に旅立ちます。
無数の私たちが小さな流れを作り、やがて激流となって大地を削り、
田畑を潤し、大河となり、ついには広大で深遠な全体と
ひとつに溶け込んでゆくのです。
それでも私はこのコケの森の記憶を携えています。
それは全体をさらに豊かにしてゆく豊穣の記憶です。
とこしえの昔から続く慈愛に満ちた私たちの営みは
この地球の奇跡とともにあります。


2011年11月21日月曜日

ひだまり



















春、満開の桜に多くの人が想いを寄せて私のもとへやってきます。
でも、今は秋・・・
木々の葉が落ち、木枯らしの近づく頃、
小さな慰めの花に気づくでしょうか
ほんの少し木を見上げて、
心を休めるのも大切な時間です。


2011年11月20日日曜日

豊穣

















私たちの大切な役割、それは大地を豊かに育むこと
小さな虫や微生物の力を使い、私は大地に染み渡る。
私たちの散らばる大地には必ず豊かな実りがあります。
生き物の間をつなぐ私たち、
その豊穣の喜びはあらゆる生命を繋いでいきます。


2011年11月18日金曜日

落葉




















私は今、すばらしい想い出とともに地上に舞い降りた。
大きな全体のために光のエネルギーを変換し
私の属する全体に送り出す。
全体は私のために養分を供給し
私は何不自由なく全体のために働く。
世界は完璧なサイクルのなかにあった・・・。

そしてある日、私の役割は終わり、
一陣の風とともにはらりと全体から切り離される。
そう、私はゆっくりと大地に還り
いつの日か全体を支える養分になるだろう。
なんてすばらしいこと!
すべては喜びとともに生まれ、
喜びとともに変化してゆく。


シンフォニー




















ひんやりとした野原に雫を滴らせて、
小さな、無数のきらめきをまとう私。
そのとき草原は光と水滴のシンフォニーに満たされる。
そんな私に気づくのは、
枯れてゆく私を見つけてそっとかがみ、
優しく顔を近づける人、
そして私を揺らすささやかな風・・・


2011年11月16日水曜日

花ひらく















あるがままに、私はつぼみから花になります。
あるがままに、太陽を浴び、風に揺られ、雨を受けて
音もなく月と話し、遠く星を感じて、花ひらくのです。
私は私になるだけです。
それはとてもやさしいことです。


2011年11月15日火曜日

小さな世界



この繊細さ、小さな世界にあふれる調和、
蜜の味に感じる喜び!
生き残るためではなく、あふれる喜びを感じるために
わたしたちはこの世界にやってきたのさ。