2015年10月30日金曜日

森が霧に包まれるとき、
深呼吸をしたような落ち着きと
冷たく澄んだ空気がすべてのものを癒します。
霧を恐れてはいけません。
私を信じてしっとり濡れた森を歩きなさい。
一足ごとに沁み入る森の気配は
あなたの心の雑音までも
静かに消し去ってゆくでしょう・・・


2015年10月26日月曜日

花に宿る

花はただ咲き誇るだけではない
様々な表情を持っています。
その表情こそ、花に心が宿り、
命を生きている証しです。
この世界に永遠に続くものはありません。
その儚さ、美しさこそ
花に宿る心です。


2015年10月22日木曜日

色づく森

葉を落とし、雪に埋もれてゆく冬を前に
私たちは死にゆく木の葉に鮮やかな装いを纏わせ
心豊かに安らかな死へ送り出そうとしているのです。
この季節、私たちは多くの葉を落としますが
それは決して悲しむようなことではありません。
葉は私のために精一杯働き、
私と共に過ごした季節を心から喜び
充分に満たされて枝から放れてゆくのです。

この秋の色彩にあなたは何を感じるでしょう・・・
落ち葉がカサコソざわめく森のなかでは
満たされたものたちの喜びの歌が響いているのです。


2015年10月18日日曜日

シグナル

私たちはときに自分がどこにいるのか
判らなくなることがあります。
茫漠とした宇宙をさまよい、
足元の地面も定かでなくなるとき、
それは新たな場所へ旅立つためのシグナルです。
古い世界にすがるのではなく
新たな世界を求めて、見知らぬ地へ飛び込むのです。
あなたの魂はそのようにして、
幾度となく新たな人生を切り開いてきたのです。


2015年10月13日火曜日

荒涼

生命は荒涼とした大地にも息づいて
その表面を優しく覆ってゆくものです。

岩やガレキに覆われた剥き出しの大地を
いとおしい母なるものに変えてゆくのは
この地に調和をもたらす精霊たちの精妙な働きです。
そして小さな生命たちの無数に重なった躍動とささやきが
大地を耕し、生命の苗床を創るのです。

大地を覆う草ぐさに耳を傾け、
風と共にゆく精霊のささやきを感じてください・・・


2015年10月10日土曜日

ハイマツ

雲上に生きる私たちの環境は非常に過酷なものです。
強烈な風雪に耐えるため背丈を低くし、
山肌にしがみつくように横へ横へ枝を伸ばし
長い時間をかけゆっくり成長してゆきます。
この過酷な環境に生きるには
何事にも動じない澄んだ心が必要になります。
高山の風に吹かれるなかで、
私たちは世界のすべてを信頼し、
聖者のような心を持って生きる術を
身につけているのです。

皆さんも世界を信頼することができるなら
どのような環境にあっても
心穏やかに生きることができるでしょう。


2015年10月8日木曜日

秋草

私たちの一生も最後の時を迎えています。
冬が訪れる前に新たな命を大地へ放ち
その後はゆっくり土に還り、
新たな命を育てるのです。
夏に咲き競った私たちも
今では古い友のように肩を寄せ合い
その時を待っています。
穏やかな死は、自然が用意してくれた
素晴らしい贈り物です。


2015年10月4日日曜日

実りの山

秋、私の裾野は賑やかに色づき
森は光を透し明るさを増してゆきます。
風に舞い落ちた木の葉の絨毯の上では、
動物たちが木の実を蓄え冬支度を始めます。
山が実りの喜びに満たされるこの季節、
忙しく樹々の間を飛び回る鳥たちや
森を駆け回る動物たちの満足げな姿は
大地の喜びそのものなのです。


2015年10月2日金曜日

夕照

世界が夕照に染まる刻、
あなたの胸にどんな想いがよぎるでしょう。
一日を終えるとき、西の空を仰いでください。
夕焼けはどのような一日も癒す力を
あなたに与えることができるのです。
心の奥深く、私はそっと忍び込んで
あなたの心を解きほぐします。