2015年7月26日日曜日

ノビタキ

野に暮らす私たちの見る世界は
ひとの捉える世界より遥かに豊かなものです。
天高く舞い上がり野山を上空から見下ろすとき、
私たちは地形や植生、川や風の流れまで
瞬時に把握することができます。
私たちの小さな体は森の樹々の間を自由にすり抜け
気に入った枝に止まると声高く囀り生命を謳歌します。
多くの荷物を抱え、地を這うように生きる「ひと」が
私たちのように身軽に世界を旅するようになれば
その眼に映る世界はもっと活き活きした
豊かなものになるでしょう。


2015年7月24日金曜日

夏の植物

夏は私たち植物にとって最もエネルギーに満ちたときです。
ただし、このエネルギーは破壊的でもあり
大気の循環がこの地に適った雨をもたらすことが必要です。
ここには非常に多くのプロセスが関わっています。
太陽・海水温・海から蒸発する水・地球を巡る風・山から吹く風・
成長する雲・雨・稲妻・地上を流れる川・地下の水流・
大地の地質・地下の生物が作る土・根と土が含む水など
私たちにはそのすべてが必要なのです。
それをコントロールするのはたったひとりの神でしょうか?
これはすべて共同作業なのです。
みなさんが考えるより遥かに私たちは繋がっているのです。
太陽・水・樹々・風や土も、すべて協力しています。
そうして今、「ひと」の協力がどうしても必要です。
みなさんも心を清ませて私たちの声に耳を傾け
私たちと力を合わせて協力してください。
私たちはその智慧を惜しげもなく伝えましょう。


2015年7月22日水曜日

赤色

血と情熱の色彩は
あなたを奮い立たせる力を持っています。
真っすぐ前を向いて
心の底から湧き上がる意志を感じたなら
あなたはそれと向き合わなければなりません。
それが一瞬の迷いか、
それともあなたの体内を駆け巡る深紅の血のように
あなたそのものなのか、
それはあなただけが知ることです。
あなたが本当のあなたの意志によって行動するとき、
血はその全身に情熱を奮い立たせるでしょう。


2015年7月20日月曜日

巨岩

巨岩に触れることは悠久の時の流れに触れることです。
巨岩に刻まれた時間は様々に読み解くことができます。
遠い過去の海底の様子や太古の生物・気候の変化、
地殻の大変動や独特の浸食作用、
巨岩はこの地の時間の積み重ねそのものです。
心を鎮めて私に触れてみなさい。
人の歴史を遥かに超える時間のなかで
私たちは存在しているのです。


2015年7月18日土曜日

水流

滝の飛沫となり川を流れ、
激しい躍動のなかで
私たちは刻々と変化します。
滝で水は空中を舞う滴となって拡散し
大気は水に取り込まれ滝壺で大量の泡となって
水中をめぐります。
大気の成分をたっぷり吸収した水は
新たな森の精気を統合した流れとなり
山から里へ下り大地に命をもたらします。
この流れこそ生命を育む力となる私たちの贈り物です。
水が躍動するところではつねに生命も躍動するのです。


2015年7月16日木曜日

入道雲

夏、地上の生命が暑さにぐったりしている時
大気中の水蒸気は徐々に集まり始めます。
水蒸気の集合が大きくなるにつれて
私の中に意識が芽生え始めます。
天空に上昇するエネルギーはどこまでも増大し、
私はグングン大きく成長して全体に力が漲り、
意識も更に明瞭になってゆきます。
私はまだまだ成長し溢れそうになる水滴をギリギリまで抱え、
内部では漲るエネルギーが稲妻を放ち大地を刺激します。
そして遂に支えきれなくなった時、激しく大粒の雨を降らせます。
雨粒とともに私の意識は大地に拡散し
樹々を潤し大地にキラキラ眩い輝きを与え
あらゆる生命の中へ注入されてゆくのです。


2015年7月13日月曜日

光とともに・・・

太古から動物にとって眼は特別な器官です。
移動して、食べ物を探し、危険を察知し、仲間と出会い、
そんなとき眼は欠かすことのできないものです。
また捕食者の眼から逃れるため身を隠す術も無数にあります。
眼にとって大切なことは、はじめに光があったということです。
太陽と月、二つの光が眼を創造したのです。
私たちが忘れてはいけないのは
この地球は二つの光なくしては暗黒の星だということです。
地球の生命がこれほど繁栄し輝いているのは
光とともにあるからです。
そうしてあなたも、その心に光を宿しています。
光とともにあれ!
それが眼のメッセージです。


2015年7月11日土曜日

国鳥 - キジ

私はこの国を代表する鳥とされ、この国の昔話にも登場します。
そして私にとって人里近くの草原は素敵な住処です。
しかしそのような場所は年々減り、
この地も変容しているのを感じます。
あなたにとって私はこの国の象徴でしょうか?
あなたは野原で私に出会ったことがあるでしょうか?
私たちはあなたの国ではなく、
この地の大地に息づいて暮らしています。
人は土地を区切り線を引き、
ブルドーザーで大地を破壊して縄張りを作りますが
私たちはこの地の大地に根付いた樹々や草原に誘われて
自らの居場所を定めます。
あなた達の傲慢さは強い者の心にはびこり
今、この大地に暗く垂れ込めています。
私もこのままではあなたたちの代表ではいられなくなるでしょう。


2015年7月9日木曜日

雫(しずく)

役目を終えた花はそっと萎れてゆく運命にあります。
しかし私に悲しみや儚さはありません。
蝶を誘い蜜を与え、めしべに受粉させるという
私の大切な役割は充分に果たせました。
この世界に花咲いて、
その目的を果たせた充実感に満たされて
雫のようにぽとりと落ちるのは
なんて素敵なことでしょう。


2015年7月7日火曜日

共生

蝶と花の関係はこの世界の希望です。
皆さんもよく知る私たちの共生関係は
祝福に満ちたものです。
この共生関係は私たちだけのものではなく
あらゆる生命がもっているものです。
私たちの体内は無数の細菌との共生なくしては
成り立ちません。
食べる者と食べられる者も生態系のバランスという
大切な条件を守るための共生です。
生命は生存競争に見える場合でも
愛とともに生きているのです。
人もその行動の動機は愛なのですが
皆さんの頭はあまりにも物事を複雑にしています。
花の間をひらひらと飛び交い、
この星の生き生きとした美しさに満たされるとき
私たちの心は大きな愛でいっぱいになるのです。


2015年7月5日日曜日

一隅を照らす

私たちが花を咲かせるのに必要なのは
ほんのわずかのスペースだけです。
さまざまな草木に混ざって大地に根を張り巡らせ
小さく繊細な花を咲かせるのです。
私たちのような小さな存在は目立つものではありませんが
この世界の一隅を照らす、欠くことの出来ないものです。
小さな花々がどれほど世界を照らしているか
みなさんもそっと胸に手を当てて想像してください。
そう、あなたもきっと小さな花に
心癒されることでしょう・・・


2015年7月4日土曜日

子鹿

いつも母や姉が見守ってくれるなか、
飛んだり跳ねたり、ムシャムシャと木の葉を食べたり
最初の1年で私たちはたくさんのことを学びます。
雨や風の夜は大地の子守唄に眠り、
陽光の射す素敵な朝は露の滴る若草を食み
母や姉の周りを駆け回って
生きる喜びを全身で味わいます。
そうして今、親しみと優しさを感じるのに
母や姉が警戒する人という謎に
「・・・?」
私たちが生まれながらに持つ自然のルールから外れた
理解を超える世界がここにはあるようです。


2015年7月3日金曜日

生命の息吹

地球の息吹はつねに動くことであらゆる生命に行き渡ります。
風に揺られる樹々の緑はCO2から光合成を行い、
その葉は虫や動物を養います。
大洋の水は蒸発して雨になり、川を流れて大地を潤します。
川面に映える緑は生命の息吹を讃える最高の贈り物です。
そこには生命の喜びが溢れています。
もし、あなたがコンクリートの街に疲れたならば、
私たちの中へ飛び込みなさい。
あなたは心の中から自然に溢れる笑いとともに
生命の活き活きとした本質に気づくでしょう・・・